先日、BSの「英雄たちの選択」という
番組を見ていたら、徳川慶喜を取り上げ
ていました。
今、大河ドラマで渋沢栄一の話をやって
いますが、そこでは江戸幕府最後の将軍
慶喜も出てきます。
メインキャスターの歴史家、磯田先生が
おもしろいことを言っておりました。
徳川慶喜と西郷隆盛を「駿馬の足と鈍牛
の角」に例えて。
駿馬(しゅんめ)というのは、足の速い
馬、鈍牛というのはにぶい牛。
江戸幕府末期、最初は慶喜が駿馬。
西郷が鈍牛。
慶喜がすばやく走って、早く長州なんか
やっつけなくちゃ、と。
でも無理だぁと知ったら、すぐ変わり身
をした。
駿馬だから早いんですよ。
でも思い込んでいるヤツの方が強いんで
すよ、現実の政局では。
バカになろうが何しようが、相手を倒す
っていうゆっくり動く西郷の角で、足を
折られたワケです、慶喜は。第1幕で。
ところが、今度は慶喜が鈍牛になる。
にぶくにぶく謹慎しながら、自分の地位
を高めていく。
最後には公爵にまでなった。
一方、西郷は権力、これこわいですね。
権力を持ったら急ぎ過ぎるし、早く走り
まわる。
西郷の方は焦って、すぐ自分の理想の国
ができると思い込んでいる。
そんなことできるワケないのに。
なのに若者たちがワーッと騒いだら、一
緒になって西南戦争をやって、夢が叶え
られず一人死んでいく。
今度は西郷が駿馬になっちゃった。
まぁ、人間というのは歴史から学べば
「駿馬の足と鈍牛の角」の2つを持って
いるということデス。