将棋の話です。
たしか12,3年前、プロの棋士たちは
「とうとうコンピューターはここまで
来たか!でもトッププロのレベルまでに
はまだ50年はかかるハズ!」
と言っていました。
当時の将棋プログラムは、せいぜいトッ
プ・アマ、プロ棋士に届くか届かないか
というレベル。
ポナンザという将棋コンピューター、
これ、T大(仮称)将棋部の人が開発し
たソフト。
将棋力を人間の身長に例えてみると、
開発当時のポナンザはまだ1メートル位。
小学生の子どもです。
子どもの身長が1メートルから10センチ
伸びたら、大きくなったなぁと感じるも
のですが、コンピューターは違う。
何事も指数関数的な伸びなのです。
一気に伸びる。
8年前にポナンザが初めてプロ棋士を
破りました。
その時の身長は、まぁ2メートル程度。
5年で2倍伸びた。
さらに5年経って、4メートル。
もう、同じ人間とは思えません。
将棋では自分と強さが近い相手だとそ
の実力がよくわかります。
4~5年前の2017年に佐藤天彦名人が
このポナンザと戦ったのですが、もの
すごい勢いで抜かれたと言っておりま
した。
身長で言えば8メートル級。
フツーならこのポナンザ、もう人間に
負けることはありません。
人間の能力には限界がありますからね。
気が付いたら後ろの遠くの方に何かが
見えて、「あっ、やばい!」と思った
瞬間に、津波のように吞み込まれた。
これがコンピューターの世界。
佐藤名人、2回戦って、2回とも100手
を切って降盤。
この結果を受けて、コンピューターVS
プロ棋士の戦いは終了。
その役割を終えたのデス。
まぁ、「AIは強いです。もういいでしょ
う」ということ。
佐藤名人は、「戦っている最中、相手が
人間なら心の底でお互い会話をしている
もの。でもコンピューターとは最後まで
会話できなかったというか、心が通じな
かった」と言っておりました。