アメリカのある動物学者が、チンパンジ
ーを研究していました。
ある時、生まれたばかりのメスの赤ちゃ
んを母親から離し、学者夫婦がミルクを
与えて育てた。
そして離乳期がくると、母親や仲間ザル
の群れに戻してやった。
するとそのチンパンジーは仲間と打ち解
け、うまくやるようになった。
やがてこのチンパンジー、大人になって
赤ちゃんを産んだ。
しかしこのチンパンジーは赤ちゃんを
抱くことも乳を与えることもせず、ただ
ボォーッと見ていただけ。
まわりの仲間の母親チンパンジーの子育
てを見ても、マネようとはしませんでし
た。
これでわかったことがあります。
チンパンジーは子育て能力を本能的に
持っているんじゃなくて、自分が赤ちゃ
んの時に学んだことを母親になった時
そっくりマネるということ。
まぁ、「サルまね」とワタクシたち人間
はバカにしますが、そのサルまねも赤ち
ゃんのそれはスゴイ。
でも大人ザルになってしまうと、大切な
子育てすらマネようとはしません。
これを人間に当てはめると、小さい時か
ら「勉強しなさい」と言われて育った子
どもなら、それをそっくりマネて、自分
が大人になった時に子どもに「勉強しな
さい」と言うだけです。
これを「勉強しなさいの法則」と言う
らしい。
人間はサルよりも進化しています。
違うところは、人間は大人になって考え
方を変えることができるということ。
たとえ自分が「勉強しなさい」と言われ
て育てられたとしても、ちょっと頭をひ
ねって考えれば、そんな命令で今時喜ん
でやる子なんているワケがない。
進化した人間ならきっとこう考えるハズ。
「やる気の出るスイッチ」はきっとどこ
かにあるハズだ!それを探した方が早い
、と。