医療はもともと一種の呪術

 

歯医者さんとこではないんですけど、小麦
粉にサトウをまぶしただけのプラセボ(偽
薬)を飲んでもらっても、患者さんの何割か
は治ってしまいます。

暗示にかけられただけでカラダ中の化学的な
ソシキまで変わってしまう。

まぁ、自己治癒力です。

その気になっただけで治る能力が人間には
備わっています。

小さい頃を思い出すと、ワタクシの地元では
医者は白衣や聴診器という小道具を使って、
大きい肘掛け椅子に座っていました。

患者さんは丸くて小さいイスに座って、服を
まくり上げて震えていた。

医者はなかなか患者の方を見向きもしないで、
ワレワレには理解できない外国語でカルテに
何か書き込んでイル。

診療室に入った瞬間にそうやって患者さんは
そんな関係の中に放り込まれてしまう。

医者はワレワレから見ると、「謎の知者」な
ワケです。

新米でも治療歴半世紀の名手でも、それは
同じこと。

医者の実際の技術や見立ての確かさよりも、
病院という何か得体の知れない舞台装置の
ようなものの中に患者さんが放り込まれて、
先生の言うことをだまって聞いている。

医療って、もともと一種の呪術から始まった
ワケですから、まぁそれもアリなのかなぁと
思う。

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