田中角栄・『オレはな!落ち目になったヤツに手を差し伸べたんだ。』

第64、65代内閣総理大臣・田中角栄(昭和47~昭和48年)

故・内閣総理大臣の田中角栄氏が引退後
、講演した話の中で中々味のあるいい話
を見つけたので、ブログに載せます。
では、始めます。GO!

ワタクシが小学生の頃、田中角栄は東京の国会で活躍し、目立っていた。それをワタクシはテレビで『ふ~ん』と見ていた。

世間じゃあ、『カネでヒトの心は買えね
え』なんてもっともらしいことを言うが
な、オレに言わせりゃ、そいつは半分正
しくて、半分間違っとる。問題はカネそ
のものじゃねえ。そのカネに一体何を載
せて相手に渡すかだ。ただの紙切れをく
れてやるだけなら、そりゃあ心なんか動
くもんか!

だがな、そこに『情』という付加価値を
乗せれば、話は全く変わって来るんだ。
カネはな、使い方次第では何十倍、何百
倍もの価値を生み出し、最強の道具にな
るんだよ。

カネはな、使い方次第では何十倍、何百倍もの価値を生み出し、最強の道具になる。

この『情』っちゅうのはな、要するに
『気配り』のことだ。相手が何を欲して
いるか、何を言われたら嬉しいか、何を
されたら惨めな気持ちになるか、それを
相手が口にする前に察してやることよ。
これが出来なきゃいくら大金を積んだっ
て、ただのイヤミな金持ちで終わっちま
う。

『情』っちゅうのはな、要するに『気配り』のことだ。

誰にカネを使い、誰に情をかけるか。多
くのヤツは日の出の勢いの人間、力のあ
る人間に群がって行く。『勝ち馬』に乗
りてえってワケだ。オレはそうは考えね
え。むしろ逆だ!

多くのヤツは、勢いのある人間、力のある人間に群がっていく。勝ち馬に乗りてえってわけよ

昔、秘書の早坂に『頂上を極めるために
は何が必要か?』と訊いたことがある。
あいつはな、『味方をつくり、増やすこと
です。』と即答しやがった。だからオレは
言ったんだ。『違うな、逆だ。敵を減らす
ことなんだ!』

頂上を極めるには、味方を増やすんじゃなくて、敵を減らすことだ!

『いいか!よ~く聞け!味方ってのはな
、いざと言う時に一緒に死んでくれるヤ
ツのことを言うんだ!そんな人間がこの
世に何人もいるわけがねえ。雲行きが怪
しくなれば、クモの子を散らすように逃
げていくのがオチだ!そんな連中に頭を
下げて愛想を振り撒くなんざ、愚か者の
やることだ。

『味方ってのはなあ、いざと言う時に一緒に死んでくれるヤツのことだ!そんな人間がこの世に何人もいるわけがねえ。』

大事なのはな、敵を減らす事だ!世の中
は白と黒だけじゃねえ。その間にとてつ
もなく広大なグレーゾーンがある。この
中間地点の人間をどうやって自分の方に
引き寄せるかだ、天下を取るにはこれが
全てなんだ!

世の中にはなあ、とてつもなく広いグレーゾーンってヤツがある。この中間地点の人間をどうやって自分の方に引き寄せるかだ。

だからオレはな!敵だ味方だと言わずに
広く手を差し伸べた。特に落ち目の人間
にな!』  

オレはな、敵だ味方だと言わずに広く手を差し伸べた。特に落ち目の人間にな!

       【続く】

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