①歳を重ねたあとの同窓会には行かないって言う人の話

歳を取ったあとの同窓会

作家の村上春樹さんは,同窓会に一度も
出席したことがないという。その理由
が『過去は過去として、大切にしまっ
ておきたい』からだと言う。
まあ、同窓会や古い友人との集まりは、
時には喜び以上に複雑な感情をもたらす
ことがありますからねえ。旧友に再会す
ると、誰もがつい比較したり、自慢した
がるものです。

今回もノーベル文学賞の電話を待つ村上春樹氏

俳優の所ジョージさんは『昔の友達と会
うとね、みんなオレはこんなに成功した
っていう話ばっかするんだよ。でもね、
ホントに幸せな人はそんなこと言わない
もんなんだよ。』
いざ再会してみると、あの幼い頃の会話
や遠い夢は跡形もなく消え、暗黙のうち
に比較が始まってしまいます。

多趣味の所ジョージさん

タレントの明石家さんまさんも『みんな
昔の話をしているようで、実は今の自分
を自慢してるんや。あの頃は貧乏やった
けど今は・・・って言う話になるんや。
いつの間にか視線は身に着けている服、
乗ってるクルマ、住んでる場所や家を品
定めするように巡り、最近はどう?収入
は?家買った?といった話に及んでしま
うんや。』

タレントの明石家さんまさん

まあ、一見無邪気に思える質問の中に実
は深い探りが含まれていて、社交辞令の
ようでいて、相手を評価するモノサシに
なってしまう。もはや真心のこもった語
り合いを求める人はおらず、他人より優
位に立てればイイ、そんな空気が漂って
しまう。

棲んでいる場所・家・クルマを品定めするようになる。

暖かいはずの同窓会は、実は華やかな仮
面をかぶった人達が演じる舞台へと変り
果てる。そして別れ際、誰もが元の生活
へと戻っていく。思い出はもう誰も開か
ない古い本の様に静かに眠り続けるので
す。

真心のこもった語り合いを求める人はいない。

本来なら人と人とを繋ぐ再会。しかしそ
こにあるのは、『酒の強さを競う場』酒
の強い人は賞賛される。弱い人はカラカ
ワレ、気力が続くまで永遠と続く宴。
『みんな揃っていたのに、誰もそこには
いなかった。』という空虚感だけが残る
のです。

酒の強さを競う場と化す

                         【続く】

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