②すい臓の話(副業は血糖値をコントロールすること)

 

   【続きです】

すい臓は消化酵素を出して、ありとあら
ゆるモノを消化します。それが本業。す
い臓にはもう1つお仕事がありまして、
副業なんですが、それも押し付けられた
副業なんですが、それが血糖値をコント
ロールする仕事。まあ、おもにインシュ
リンを分泌する仕事。

すい臓のランゲルハンス島の中でインシュリンが作られて、血流により糖などと一緒に全身に運ばれる。

本来、インシュリンを分泌する仕事は大
きくありませんでした。すい臓の顕微鏡
写真の絵があります。紫色の小さな細胞
はすい液を作る細胞。これがすい臓の90
%以上を占めます。近くに白い○が島の
ように点存在しています。これは発見者
の名にちなんで、ランゲルハンス島と呼
ばれていて、占める面積はすい臓の6~
7%くらい。大きなすい臓の中にポツリ
ポツリといて、その中でインシュリンが
作られて、血流により、糖などの栄養素
と一緒に全身に運ばれます。

紫色の点がすい液を作る細胞。白い○がランゲルハンス島でインシュリンを作る。

ところで、細胞にはインシュリンに反応
する受容体があり、この受容体にインシ
ュリンが付くことで、『開け、ゴマ!』
で細胞膜の扉が開き、血液中を流れてい
る糖などの栄養素を細胞内に取り込むこ
とが出来るんですよ。その結果、血液中
の糖が減り、血糖値が下がるという仕組
み。

インシュリンが細胞膜にある受容体にくっつくと、「開け、ゴマ!」となって、細胞膜の扉が開き、血液中を流れている糖が細胞内に入って来る。

インシュリン受容体にインシュリンが付くと、細胞膜の扉が開き、血液中を流れている糖が細胞内に入って来る。

このランゲルハンス島にはインシュリン
と真逆のホルモン(血糖値を上げる)を出
す細胞もあります。グルカゴンって言う
んですが。赤は血糖値を下げるベータ細
胞。これはインシュリンを分泌する。緑
は血糖値を上げるアルファ細胞。これは
グルカゴンを分泌する。

ランゲルハンス島の中に、血糖値を下げるベータ細胞(インシュリン分泌)と血糖値を上げるアルファ細胞(グルカゴン分泌)が同居している。

実は、血糖値を上げるホルモンはカラダ
のあちこちにあるのですが、血糖値を下
げるホルモンはすい臓から分泌されるイ
ンシュリンだけ。やはり歴史的に血糖値
を上げるほうが、重要視されたみたいで
す。

脳下垂体、甲状腺、副腎皮質・副腎髄質、すい臓(アルファ細胞)などは血糖値を上げる。

例えば、敵に襲われた時に、すぐ行動し
て逃げないと殺される。その時に血糖値
をちゃんと上げとくホルモンの方が、活
動に必要なエネルギー源を作り出すので
発達しちゃった。
ちなみにヒトの場合、正常な血糖値は血
液100mlあたり、0,1gくらい。

敵に襲われた時、すぐ行動しないと殺されてしまう。

血糖値が低いと、糖を唯一のエネルギー
源としている脳のキノウが低下して、意
識を失うこともあるんですよ。血糖値が
高い場合にはインシュリンが分泌される
ことによって、血液中をウロウロしてい
る糖が細胞の中に取り込まれて貯えられ
る。これがイザと言う時に重要なエネル
ギー源になるんです。

血糖値が低いと糖を唯一のエネルギー源としている脳のキノウが低下して、意識を失うこともある。

逆にインシュリンが働かずに血液中に高
血糖が続くと、糖尿病になり、動脈硬化
などの合併症を引き起こします。現代人
の暴飲暴食って、インシュリンの分泌を
すい臓に過剰に強いること。

インシュリンが働かずに血液中に高血糖が続くと、糖尿病になり、動脈硬化などの合併症を引き起こします。

すい臓さんを働かせ過ぎないようにして
ね。

      【また続く】

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