人を評価する場合、よくあるのは、極め
て能力の高い人だけを評価するやり方で
す。実際は、どんな組織でも能力の分散
があって、真ん中のそこそこの能力のあ
るグループが一番多くて、能力の突出し
た人と劣る人は少数という構成になって
います。まあよくある偏差値のベルカー
ブってやつです。
ソシキ全体の効率を引き上げたい時にト
ップの少数の人だけに報奨金を与えるよ
うなことをしても、ソシキ全体の底上げ
にはつながりません。平均的能力を持っ
ている人たちが今までよりも少し良く働
くように仕向けることが、実は大切。
ヒトはひとり一人感情を持ってて、気持
ちで仕事をしているワケですからね。
そこで、ふと、青山学院大学駅伝部の原
監督が昔言ってた話を思い出しました。
原監督が青学駅伝部のカントクに就任し
て3年目、全国高校5000mランキングで
も上位の即戦力にお願いして入部しても
らった。『よ~し!これで箱根駅伝に出
場できるぞ!』
しかし、その目論見はもろく崩れました
。お願いして来て貰った選手たちは、寮
則、門限を守らず、まともに練習すらし
なかった。しかし、ずば抜けた素質を持
ってた事で、他の部員たちは腫物にでも
触るような態度だった。彼らに、『来て
やったんだ!』という思いが強かったん
だろうと思います。チームがまとまらな
かった。
それ以来、スカウトする選手の第1条件
は1にも2にも人間性。どんなに抜群の
素質があろうと、心根が悪い選手はチー
ムをダメにするというのを学んだそう
です。