『ハドソン川の奇跡』は航空界全体の功績だ!(前半)

映画『ハドソン川の奇跡』は2009年に現実にあった話

『ハドソン川の奇跡』という映画があり
ました。アレ、事実でね、2009年アメリ
カでニューヨーク(ラガーディア空港)を
離陸したヒコーキが2分後に鳥の群れの
中に入っちゃった。

ニューヨークを離陸した2分後にまさかエンジンが停止するとは。

エンジンの中に鳥が吸い込まれるバードストライクになった。

これ、バードストライクと言って、鳥が
エンジンの中に入っちゃう。稀にあるん
ですが、鳥が突っ込むとエンジンが燃え
ちゃって、もう動かなくなります。でも
、もう一つのエンジンで何とか着陸出来
る様になってるんです。

鳥が突っ込むと、エンジンが燃えちゃって、動かなくなります。

ところが、あの事故、鳥の群れに遭遇し
て左右のエンジンが2機とも止まっちゃ
った。どうなったかと言うと、グライダ
ー状態になっちゃったんですよ。エンジ
ン2機止まっちゃったんですから。

エンジンが2機とも止まり、推進力がなくなり、グライダー状態になった。

そこで機長が管制官とやり取りして、
『さっき離陸したラガーディア空港に帰
って来なさい!何ならハドソン川の向こ
う側にもう1つ飛行場(テターボロ空港)
があるから、そっちに降りなさい!』
と指示するわけです。そして指示通りト
ライしたんですけど、こっちの小さい空
港も間に合わない。

ドンドン高度が落ちていく。推進力のな
い、ただのグライダーですから。エンジ
ン音もない『ツンツンツン』。

エンジンが止まれば、ただのグライダー。静かに高度がドンドン落ちていく。

そして機長はハドソン川に着水すること
を決意した。それを訊いた管制官は『ダ
メだ、ハドソン川だけはよしてくれ!』
水面着水で全員死亡ってのが結構あるん
ですよ。しかも真冬。5度以下の水に浸
かると2,3分でほとんど全員死亡する。

管制官『ダメだ!ハドソン川だけはよしてくれ!』

それ以降、機長はもう管制官の呼びかけ
に応答しない。ジョージ・ワシントン橋
の東側をグライダー状態で旋回、そして
、ハドソン川着水に集中。で、ハドソン
川に冷静に見事着水を果たしたわけです。

ジョージ・ワシントン橋の東側をグライダー状態で旋回。上流から下流に向かっている。左側がニューヨーク。

真下はハドソン川

機長は舵をきり、ハドソン川に見事着水。

航行しているフェリーの船とか消防艇と
か警察の船が連携プレーして次々と全員
を救出しに来る。

 

航行しているフェリーの船とか消防艇とか警察の船が連携プレーして次々と全員を救出しに来る。

時間がない!グズグズしていると、機体が沈んでしまう。

全員、無事に救出。機長は全員救出されたことを確認後、最後に脱出。

このハドソン川の救出劇では死亡者ゼロ
。 航空業界には90秒ルールというのが
あって、海にヒコーキが不時着したら、
90秒で機体が沈み始めるので早くゴム
ボートに乗って脱出しなければならない
ってヤツ。運のいいことに、今回のはた
またま着水現場がニューヨーク付近で、
辺りにあちこち船が運航していた。ハド
ソン川の救出劇は、あれホント奇跡だっ
たんですよ。
 (2024年1月12日の当ブログ参照) 

       【続く】

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