酸素があると生きていけない歯周病菌

歯周病菌(3600倍に拡大)小学校では、酸素は呼吸するのに必要で、脳にも血液を通じて運ばれて脳を活性化するので、大切なものなんだと習いました。

ところが、酸素があると生きていけない生物もいるのです。

それは、嫌気性細菌。

その名前のとおり、空気が嫌いな細菌です。

有名なのが、破傷風を引き起こす病原菌や、汚物を分解してメタンを発生させるメタン細菌など。

実はワタクシの仕事場である口の中にもいます。

ズバリ、歯周病菌です。

どうして同じ地球に住みながら酸素を嫌わなければならないのかって話になるのですが、それはそもそも、酸素というものが有毒元素だから。

空気中の酸素ガスは物を燃やしたり、サビをつくったりといった、活発な反応をする物質です。

とくに酸素が他の化合物と反応してできるH2O2(過酸化水素)は、強力な化学反応を 起こすので、薄めて滅菌剤として使われています。

まぁ、大気中の酸素は有機物でつくられている生物の細胞を酸化させてそのキノウを失わせてしまう、という恐ろしい働きを持っているワケです。

よくワタクシ達はブラッシング指導する時に、「歯ブラシの毛先を歯ぐきの歯周病菌のいるところへ届くようにしてね」と言います。

それは、口の中の空気(酸素を含む)を歯周病菌のいる所に届けて、その歯周病菌のキノウを失わせてやろうという目的もあるのデス。

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