【続きです】
看取りが行われた106人の食料と水分の
摂取量のデータというのがあって、その
推移を見ると、数値が急激に減少した
のは死亡の数か月前。それ以前の3年間
は安定している。でも、そこにBⅯIの
データを重ね合わせると十分の食事や
水分を摂取しているにもかかわらず、
5年前からその数値が減少していた。
これは、食べているにもかかわらず、
BⅯIが減っているところから見ると、
食べないから死に至っているというより
カラダはもはや栄養を利用できなくなっ
ている。まあ、終末期の高齢者のカラダ
では、栄養や水分を次第に受け付けなく
なっているというコト。こうした状況で
は水分を取ることも苦痛になる。
死に向かう高齢者では、腎臓などの臓器
のキノウが低下している。そのため、摂
取した水分は尿として排出されず、その
多くが体内に貯まっていく。そして、そ
れが腹水や浮腫み(むくみ)の原因になっ
てしまう。
で、オーバーフローした水は肺の中に移
って、それが痰になって、ゴボゴボして
肺水腫という状態になったり、呼吸困難
が起きてくる。
100%食べているのに、痩せだけが進行し
ていく。BⅯIって、よく健康診断に出
てくるけど、コレ、命の指標じゃないで
すか。今まで医療が進歩して、いろんな
ものを入れて、どうにかそのヒトを活気
付けようとしたけど、それ、死んで逝く
人達にしてみれば、ひょっとしたら、
キツかったのかも。食べれません、
苦しい、生きたいという意志があるなら
栄養を入れてあげればいいじゃん、と思
ってやってみたけれど、入らないんです
もんね、その栄養。
思うに、すべての生物は死ぬという観点
から見れば、まあまあ当然のことで、
ヒトは成長するのに20年以上かかります
。であれば、死ぬ準備も5~6年あるので
はないか。85~95歳くらいの間で、
もう多くヒトが亡くなるのでそのくらい
が『生理的な死』 なのかもしれません。
まあ、探せばいろんな病気があるんで
しょうけどね。