
昭和の政治家、田中角栄の演説です。
この人、学歴は小学校卒。家業の土建屋
から身を立てて、総理にまで登り詰めた
政治家でした。あの辛口の元東京都知事
・石原慎太郎氏も『あの人は別格、兎に
角スケールの大きい人だった。オレが批
判したら、感謝の言葉を返されたよ!あ
んな政治家、今はどこを見渡してもいな
いね。』

元東京都知事・石原慎太郎氏
オレは新潟の生まれなんだが、オレの原
点は新潟の雪にあるんだ。毎年毎年、冬
になるとイヤになる程雪が降る。その雪
ってヤツはなあ、『あそこは金持ちの屋
敷だから多めに降ってやろうとか、こっ
ちは貧乏の家だから手加減してやろうな
んてことは考えねえ。金持ちの立派な屋
根にも貧乏人の粗末な庭にも全く平等に
降り積もるんだ。』人間も本来これと同じ
でなきゃいかんのだよ。

雪ってのはなあ、『あそこの家は金持ちの屋敷の屋根だから多めに降ってやろう!』なんてことは考えねえんだ。
生まれた場所がどうだとか、学歴がどう
だとか、そんなもん、関係ねえ。人は誰
しも平等なんだ。オレが総理大臣になっ
た後も地元とに帰れば昔馴染みのおっち
ゃんやおばちゃんと昔と変わらず話しを
した。相手が誰であろうが、偉ぶること
もなく、見下すこともなく、同じ目線で
話す。肩書や地位は関係ねえ。これが人
間関係を築く上での大前提だ。

『生まれた場所・学歴なんて関係ねえ。』
次は『人間、誰しもデキそこないだ』と
知ることだ。完璧な人間なんてこの世の
どこにもいやしねえ。誰にだって欠点は
ある。オレだってそうだ。その『デキそ
こない』である人間を欠点も弱さも含め
て受け入れるかどうか、そこに政治の原
点があるし、人間関係の原点もある。

自分の子どもだってそうだろう。できの
良い子だけを可愛がって、出来の悪い子
をないがしろにするような親がどこにい
る?いるとしたらそいつは人間の心って
もんがワカってねえ。敵だろうが味方で
あろうが、人をありのままに受け入れる
。分け隔てなく愛情を注ぐ。そういう心
構えがあるからこそ、人はオマエの周り
に集まって来るんだ。まずはこの基本を
しっかりと自分の中に打ち立てることだ
。

出来の悪い子

出来のいい子
さて、そういう基本の心構えができたな
ら、次は行動だ。まず何より大切なこと
は、とにかく人に会うことだ。会うこと
を面倒くさがってはいかん。メール1本
で済むと思ってはいかん。オレはなぁ、
自分を訪ねて来る人間はどんな相手だろ
うと、たとえ体調が悪くても会うように
していた。会うことがどれだけ大きな信
頼につながるかを身をもって知っていた
からだ。人に会えば新しい情報も入って
来るし、自分自身も磨かれる。そうやっ
て築き上げた人脈がオレの最大の財産に
なったんだ。

まず何より大切なのは、人に会うことだ。総理大臣を辞めた後も、ワシはな、昔馴染みのおじちゃん、おばちゃんと昔と変わらず話をした。
ただ人に会ったからには相手を楽しませ
る努力をせにゃいかん。せっかく会った
のにしい堅苦しい話や自慢話ばかりじゃ
相手はウンザリするだけだ。今日の話は
面白かったなと思ってもらえるように心
がけるんだ。人生は一度っきりだ。芸の
1つや2つ、いつでも使える『ネタ』を
用意しておくといい。人を喜ばせること
ができる人間が一番賢い人間なんだよ。

人に会ったら相手を楽しませなくてはならん。
まあ、実を言うとこれはあんまり教えた
くないんだが、ただ人に会って楽しませ
るだけじゃ、まだ二流だ。ホントの信頼
を勝ち得るにはもっと相手の懐深くまで
飛び込まなきゃならん。大事なのは常に
相手の立場、『ものさし』で物事を考え
ることだ。

まあ、実を言うとあんまり教えたくないんだが・・・
『そいつがホントに欲しいのは何か?』
を考えてやるんだよ。
【続く】