
NHK・BS『ヒューマニエンス』より。
【続きです】
平穏な人体学園に、ある日、転校生の
山田君がやって来た。
『チィーッス!』

ある日、転校生の山田君がやって来た。
風紀委員J(樹状細胞):彼女はいわば風紀
委員で異物の監視役。
(風紀委員J)『ん?免疫の敵、異物?』
『一波乱ありそうね!』
(山田)『出せよ!お前も出せ!』
(風紀委員J)『何てこと?これはもうT3
案件だわ!』

『T3案件だわ!』
(風紀委員J)『T3,大変です!』
(T3)『どうしたの?』

『T3,大変です!』

Tレグ『ん?』
(風紀委員J)『これを見て下さい!私の
集めた転校生のデータで
す!』
(ヘルパーT)『なるほど!(即座に遺伝子
情報を照合)、彼は人体学
園の異物確定!キラーT、
排除よ!』

『彼は人体学園の異物確定!』

『キラーT、排除よ!』
(キラーT)『了解!』

『了解!』
(山田)『お前、誰だ!?』
(キラーT)『ちょっと、手荒にさせても
らうよ!』
(山田)『てめぇ、格好つけるんじゃねぇ
ー!』

『おめ~、誰だよ!? 恰好つけるんじゃねえ!』
(キラーT)『一気に片付けちゃうよ、行
くぞ、必殺パーフォリンミサ
イル!』
―爆発音―
(キラーT)『排除完了!』
このキラーTのミサイル攻撃は実際のカ
ラダの中でも行われている。これはキラ
ーTが異物である細胞を捕らえた瞬間の
映像。細胞に取りつくと、キラーTは赤
い物質を注入する。これがパーフォリ
ンという細胞を溶かすタンパク質。注
入された細胞はその後、おのずと死を
迎える。

異物(青) キラーT(緑)

キラーTが異物にパーフォリンという細胞を溶かすタンパク質を注入している。
(ヘルパーT)『どうやら、学園に平和が
もどったようね。』
この学園ドラマをおさらいしてみましょ
う。
まずは樹状細胞Jが転校生の悪さを見つ
けてヘルパーTに報告しました。樹状細
胞はT細胞じゃありません。これ自然免
疫系の細胞で、とにかく異物かもしれな
いものをパクパク食べて、それを消化し
て、コンナン来ました、と食べて出す。

樹状細胞Jは異物かもしれないものを食べて、コンナン来ましたと、食べて出す。
そして樹状細胞Jから報告を受けたヘル
パーT細胞の役割なんですけど、単にお
茶なんか飲んで優雅にしていました。ほ
んとうに指令を出すだけで、攻撃には参
加しません。

ヘルパーT細胞は優雅にお茶なんか飲んでいて攻撃には参加しない。
そこから実際に攻撃で活躍するのがキラ
ーT細胞。パーフォリンで細胞に穴を空
けて自殺を促すようなことをするんです
。自殺を促して静かに死んでもらうこと
が、免疫には大事なんです。
そしてもう一人、今回の謎の人物Tレグ
がいます。彼こそが免疫に欠かせない人
物だと言うんです。ではどんな活躍をす
るのか御覧ください。

謎の人物Tレグ。実は彼こそが免疫に欠かせない人なんです。
【続く】