①制御性T細胞・『免疫細胞が暴走するのを止めてくれます』

2024年のノーベル生理学・医学賞は『制御性T細胞』を発見した坂口志文先生。

2025年のノーベル生理学・医学賞は
坂口志文先生の見つけた『制御性T細胞』
でした。10年位昔、ワタクシ、『マンガ
でわかる免疫学』(河本宏著)で苦手の
免疫学をおさらいした時、123ページに
坂口志文先生の名前が出ていました。
制御性T細胞って何か難しい話だけど
スゲーなあ、と思った記憶があります。

『マンガでわかる免疫学』(河本宏著)

坂口志文先生の見つけた細胞が制御性T細胞だと書かれていた。

さて様々な病からワレワレを守ってくれ
る免疫ですが、例えば、ケガをした時、
傷口から入る細菌や呼吸を通して侵入す
るウイルスなどを免疫細胞がやっつけて
くれます。今回はノーベル生理学・医学
賞に輝いた『Tレグ(制御性T細胞)』の話
です。

この『Tレグ』っていう免疫細胞は種の
保存にはなくてはならない存在です。こ
のTレグがなければ、私たちは免疫のせ
いで病気になってしまう。糖尿病とか高
血圧、リウマチ,腸の炎症、心疾患など
。そして他の生物の命から、その栄養を
摂ることもできません。他の生物は異物
だから、栄養になるどころか、カラダの
外に追い出してしまう。そんな時に異物
を追い出すという免疫反応を抑えてくれ
るのが『Tレグ』です。

異物を追い出すという免疫反応を抑えてくれるのがTレグ。

そもそも6億年くらい前に初めて骨がで
きました。そして骨の中で血液が出来た
。その血液の中に白血球があって、その
中にリンパ球が含まれていて、そのリン
パ球の細胞が進化させて出来た免疫シス
テムが『Tレグ(制御性T細胞)』。

6億年くらい前にヤツメウナギみたいに骨を持つ生き物が海の中で誕生した。

『Tレグ』というのはサイマス・レギュ
ラトリーつまりThymus(胸腺)Regulatory
(制御性)の略字。
まあ、『自己に対する免疫応答を適切に
抑えるブレーキとしての役割(免疫寛容
と言います)を担う免疫抑制細胞の1つ』
です。

Tレグは自己に対する免疫応答を適切に抑えるブレーキの役割をします。

ワレワレはウイルスや細菌から身を守り
ますが、それらは非自己(異物)です。で
、その自己、非自己というのをきちんと
見分けて、それが出来てこそ、非自己を
やっつけることが出来るんです。だから
自己を守って非自己を攻撃するってのが
前提になっています。

ウイルスから身を守るのは自己を守って非自己を攻撃するというのが前提になっている。

免疫には2種類あって、自己免疫と獲得
免疫なんですが、自然免疫というのは、
生まれた時から持っているような免疫で
、主にバクバク食べるってのが仕事にな
ります。これはウイルスだろう、いやこ
れは細菌だろうとかそういう形をざっく
り見分けて、それを取り込んで、傷口な
んかで、なるべくそういった入って来た
ものの数を減らしていくという役割があ
ります。

免疫には自然免疫と獲得免疫がある

ウイルスや細菌が多かったりすると、も
う少し高度な免疫に働いてもらおうとい
うことで、お待たせ、獲得免疫の出番で
す。今回来たのは見たことねえぞ!とか
今度のは何か危険な匂いがするぞ!と直
感する。そうするとさっきの自然免疫
(今回はその中で樹状細胞J)は獲得免疫
のT細胞に情報を渡すのが重要な役割に
なります。つまり主役だった自然免疫が
獲得免疫のサポート役に回るんですよ。

自然免疫の樹状細胞Jが獲得免疫のT細胞に『こんなん食べたんですですけど』と言って食べたモノをT細胞に見せる。

       【続く】

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