
老後の同窓会
【続きです】
同窓会はその現実を突きつける場となっ
てしまった。こうして同じクラスに集ま
ったハズなのにもはやお互いに別の世界
の住人になっていることを突きつけられ
る。それぞれが違う人生を選び取って来
た結果なのです。

お互い別世界の住人になっていることに気ずく
いくらテーブルを囲っても、もうそこに
は『かつての私』はいないのです。クラ
ス会は思い出を語る場ではなくて、むし
ろ『隔たり』を突きつける機会になりま
した。私たちをホントに切なくさせるの
は距離や年月の問題ではなく、心そのも
のの違いなのだと。人生がそれぞれ違う
方向に流れ、優先順位も様変わりした。

いくらテーブルを囲っても、そこには『かつての私』はいないのです。
作家・向田邦子さんはこう言ってた。
『同窓会で一番驚くのは、みんな昔と同
じ顔をしているのに、まるで違う人にな
っていることだ。時の流れはヒトを変え
てしまうだけでなく、最も美しい思い出
はもう二度と戻らない。そんなのはあの
過ぎ去った時代にだけ存在するのだ。』

作家・向田邦子;時の流れはヒトを変えてしまうし、最も美しい思い出はもう二度と戻らない
私たちは同じ人達に再会できたとしても
、あの頃の自分にはもう出会えません。
人生は短いのですから、うわべだけのつ
き合いや意味のない集まりに時間を浪費
する必要はありません。自分が本来属さ
ない輪に無理やり溶け込もうとすること
もないのです。

残された人生はもう短いのです。
自分を殺してまで他人に合わせ続けるこ
との方がよほどコワイのです。残された
人生はもう短いのですから。
おしまい