③アンパンマンは、やなせたかしが70歳目前にアニメ化された。

     【続きです】

テレビアニメ化なのですが、最初に話を
持ち掛けて来たのは天下のNHK。でもね
違う作品に決まっちゃった。ガッカリ。
そして同じ頃提案して来たのが、日本テ
レビのプロデューサー・武井英彦。だが
社内では『実践のない人には任せられな
い。』ということで、企画を出すたびに
却下されてしまいました。

日本テレビの武井英彦がアンパンマンを提案。

それでも武井は『幼稚園児や図書館では
大人気なんです!』と説得を続け、数年
後にアニメ化が決定。ところが、用いさ
れた放送枠は関東だけ。それも与えられ
たのは夕方5時。最も視聴率の悪い時間
帯だ。そりゃそうだ。世の中のママさん
たちは夕食の準備に忙しい時間帯です。
子どもなんかに構っちゃいられません。

お母さんは夕方の5時頃は夕食の準備に忙しい

子どもは居間のテレビにおもりをしても
らう。『坊や!』とママさんが振り向い
ても、坊やたちはテレビにかじりつき、
何やらゲラゲラ笑っている。何見てるの
かと思ったら『それいけ!アンパンマン
』そんな風景が関東のどの家庭でも見ら
れたんですよ。

アンパンマンアニメに夢中

『アンパンマン』をみてゲラゲラ笑う子ども

いつもは2%の視聴率が『それゆけ!ア
ンパンマン』が始まって、3倍以上のま
さかの7%。周囲はビックリ。アンパン
マンは大人たちの予想を裏切って平成の
人気テレビ番組になったんです。お父さ
んに任せるよりも子守りが上手い。

大人たちの予想を見事に裏切ったアンパンマン

ところで、アンパンマンの声は戸田恵子
さんにすぐ決まったんですが、バイキン
マンの声が中々決まりませんでした。
で、やなせさん、ある日、オーデション
で中尾隆聖(りゅうせい)さんのバイキン
マン用の声を1回だけ聴いて、『これだ!
』『これで行こう!』と即決。

バイキンマンの声・中尾隆聖(りゅうせい)

でもね、中尾さん、無理してあのダミ声
を出していたんですよ。ノドの限界まで
潰した声。中尾さん、収録が終わると声
が出ない。その日、別の仕事は受けられ
ない。『アンパンマンを2本取りする日
なんか、死んでしまいそうだ!こんなに
長く続くんなら、もっと違う声にしてお
けばよかった。』と。ちょっと後悔してい
たそうです。

バイキンマンの声優の中尾隆聖さん、朝ドラ『あんぱん』で女学校の校長先生役で出演していました。

やなせさん、生前にこう言ってました。
『ヒトは人を喜ばせることが、一番うれ
しい。人生は喜ばせごっこ。自分が生み
出したもので子ども達が喜んでくれる。
その様子にワタシも幸せを感じる。』と。

『人生は喜ばせごっこ』

ワタクシ思うのですが、ひょっとして
『アンパンマン』って『お母さん』では
ないでしょうか?赤ちゃんが泣けばミル
クや母乳を与える。母乳は血液だから、
顔の一部ならぬカラダの一部です。

『アンパンマン』はお母さんだと思う。

さらに子どもが泣けばスグ飛んで行き、
昼であろうが夜であろうがスグ起きて、
布団をかけなおす。お母さんは子どもを
守る為に昼夜関係なく、助ける準備が出
来ているのです。こんなマネ父親には到
底出来ませんよ。

      おしまい

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