②アンパンマンに夢中になったのは、まだ字も読めない小さな子供たちだった。

    【続きです】

アンパンマンの相手役は普通の人間じゃ
ダメだ。パンチが足りない。アンパンは
食品。じゃあ食品の敵は?『カビ?』
『バイキン?』そこで思いついたのが
『バイキンマン』

悪をちょっと入れた『バイキンマン』。毒(死とか殺しトカ)をいれてはいけません。子供たちが傷つくから。

でもバイキンは目に見えない。どう描く
か?黒いハエをベースにして、歯をむき
出して笑ってる感じに。サクッと描いた
ら出来ちゃった。これが大成功。良い悪
役がいれば話が面白くなる。

黒いハエをベースにした『バイキンマン』

アンパンマンとバイキンマンは光と影。
バイキンマンは悪役だけど、悪すぎない
。愛キョウもある。こうして、アンパン
マン対バイキンマンという基本のパター
ンが生まれたんです。

アンパンマンVSバイキンマンという基本パターンが出来上がった。

『アンパンマンショー』のステージで観
客の反応を見ていたら、どこで笑い、ど
こで泣くのか一目瞭然。全く予想外のと
ころで笑いが起きて驚いたことがある。

アンパンマンショー

例えば、バイキンマンの『は~ひふへほ
~』これはお客さん全員が笑う。とくに
子供たちが大笑い。試しに『ラ~リルレ
ロ~』とか『ガ~ギグゲゴ~』には子供
たちは無反応。こんな風にして、バイキ
ンマンのキャラクターが作られていった
んですよ。

『は~ひふへほ~』とバイキンマンが言うと笑いが起こる。

アンパンマンが出版されて5年、やなせ
たかしがカメラ店を訪れると、店主が言
った。『先生、アンパンマン描いてます
よね。うちの坊主が毎晩、読め、読めっ
てうるさいんですよ。』初めて聞いた読
者の反応に驚いた。だが、その後どこへ
行っても似た様な話を聞くようになる。

幼稚園ではアンパンマンが大人気

講演先では幼稚園の先生が笑顔で言う。
『うちの園ではアンパンマンが人気なん
ですよ。』
『図書館ではいつも貸し出し中。』
『新刊を入れてもすぐにボロボロになる
んです。』

図書館でいつも貸し出し中の『アンパンマン』

宣伝なしにひっそりと出された地味な絵
本。それが子どもたちの間で一気に広が
って行った。出版社もコロッと態度を一
変させた。『やなせ先生、どんどん描い
て下さい。』1年で描いたアンパンマンシ
リーズの数は何と25冊。

1年間でやなせたかしは、アンパンマン絵本を計25冊描いた。

大人が見向きもしなかった『アンパンマ
ン』を最初に愛したのはまだ文字も読め
ない小さな子供たちだった。

まるやまファミリー歯科の前で、ショーウインドーに飾ってあるアンパンマンの所で、チョットだけ休憩する保育園児たち。文字はまだ読めませんが、アンパンマンは面白いようです。

          【またまた続く】

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