毒の研究では『世の中のものは全て毒』
と言う考え方が基本。カレーの材料のう
ち、カレー粉・肉・ジャガイモ・玉ねぎ
・サラダ油の中で毒があるものはどれ?
ジャガイモは芽に毒がある。ソラニンと
いう毒で、食中毒になる畏れあり。で、
さっきの正解の答えはスベテ毒。教えて
くれたのは北大大学院獣医学研究院の
石塚真弓教授

毒性学の世界では『世の中のモノはすべて毒』という考え方
食べ物・飲み物はいろんな化学物質から
できていて、毒でない化学物質はありま
せん。じゃあ、毎日毒を摂っても大丈夫
?と言う話ですが、大丈夫なんですよ。
毒を食べたり、飲んだりしても、大丈夫
。なぜならヒトには毒をカラダの外に追
い出す力があるから。

人には毒をカラダの外に追い出す力がある。
その力を超える量の毒を摂りすぎるると
、中毒などの症状がでる。水も空気も薬
も摂り過ぎたら毒になる。水は8リット
ル以上飲むと危険だし、酸素も多すぎる
とカラダの中がボロボロになる。まあ、
普通はカラダを守る力が毒よりも強いか
ら大丈夫。

水も空気も摂り過ぎたら毒
クスリもそう。毒の量が多いか少ないか
が毒とクスリを分ける。ところで、どう
やって毒をカラダの外に出すのかと言う
と、吐いたり、お腹を壊したりしてカラ
ダの外に出す。

毒の量が多いか少ないかで毒とクスリを分ける
毒の形を変えて早くカラダの外に出した
り、毒をカラダにくっつかないようにし
て生きる動物もいます。例えばフグ。フ
グは毒(テトロドトキシン・青酸カリの
1000倍以上の毒性)を体内につくるので
、バイキンが作った毒を食べ、カラダ
にくっつかないようにして身を守る。
毒を摂り込んでも大丈夫なように、毒が
フグのカラダにくっつかない仕組みにな
っています。

フグは体内に毒をつくる
毒を持つ生き物は毒でカラダを守ったり
、獲物を獲ることに使っているんですよ
。植物もムシや動物に食べられないよう
に毒を持っているし、花を咲かせたり、
枯れさせたりするのも化学物質によるも
の。

毒で身を守る・毒で獲物を獲る
植物の化学物質が動物にとって毒のなる
ことがあるんです。例えばコアラの食べ
るユーカリ。ユーカリにはいろんな毒が
入っているんです。それを食べるコアラ
の盲腸は2メートルもあって、発酵させて
毒を分解している。長い腸が必要なんで
す。でも栄養が少ないから1日の大半を寝
て過ごしています。

コアラは2メートルの長い盲腸で毒を発酵させて分解している。
ところで、植物の毒がカラダに入る草食
動物の方が、肉食動物よりも毒を体外に
出す力があるんですって。まあ、単純に
考えれば、シマウマとライオンが同じ毒
の植物を食べれば、シマウマのほうがカ
ラダの回復が早いということだ。