
『それいけ!アンパンマン』
『アンパンマンの作者は私なんですよ』
と言うと、たいていの人は驚きます。
まさか90歳にもなろうというボクがあの
アンパンマンをまだ描いていようとは誰
も想像できないんですよ。

『90歳になるボクがアンパンマンをまだ描いていようとは誰も想像できないんですよ。』
やなせたかしがアンパンマンを描き始め
たのは50歳の時。ようやく注目されたの
は60歳の頃。そしてテレビアニメが決ま
ったのは70歳を目前にしてからでした。

『アンパンマン』を描き始めたのは50歳の時
最初のアンパンマンは今と全く違う姿。
手足は長く、今とは別のもの。アンパン
マンが絵本になった時の世間の反応は冷
ややかでした。

最初のアンパンマンは手足の長いおじさん。
『顔を食べさせるなんて、残酷すぎる!』
『こんな絵本、図書館に置くな!』
出版社からは『こんな本は、もうこれっ
きりにして下さい!』もう踏んだり蹴っ
たり。これが最初のアンパンマンに向け
られた世間の評価。

『顔を食べさせるなんて、残酷すぎる!』
まあ、こんなヒーローは世界中を探して
も他にいませんよ。まずヒーローが食べ
物である。汚れたら力が出ない。水に濡
れたら動けない。顔が食べられたら戦え
ない。そんでもってそれでも助けたいと
思ったら、自分の顔を与えてでも力にな
ろうとする世界最弱のヒーロー。

『汚れたら力が出ない。水に濡れたら動けない』最弱のヒーロー。
実はアンパンマン、もともとおじさんだ
ったんですよ。絵本になる前にアンパン
マンの原型があって、ラジオの台本に一
度だけ登場。1960年代です。そのアンパ
ンマンは自分でパンを焼き、マンとは焦
げだらけ。顔もハンサムとはほど遠い、
パン配りのおじさん。
遠くから見れば、アメリカンヒーローの
スーパーマンやバットマンによく似てい
ましたが、でもまるで違う所はスーパー
マンみたいに格好よくなかったんです。

恰好いいスーパーマン

恰好いいバットマン
全身こげ茶色で、それにひどく太ってい
ました。アンパン配ってもソフトクリー
ムを欲しがる子どもには断られるような
、そんな恰好いいとは言えない姿の『正
義の味方』だったんです。

初期のアンパンマンは全身こげ茶色で、それでひどく太ってて、格好悪い『正義の味方』でした。
そんなもんだからたいしてヒットしない
。『いったい何が欠けているんだろう?』

『アンパンマンのお話に、いったい何が欠けているのだろう?』
『そうか、アレが欠けているんだ!』
そうです。『バ』のつくあの人が欠けてた
んです。

『バ』のつくあの人
【続く】