
アクアポリン(水の穴)は細胞を操る水の門番
アクアポリンって細胞を操る水の門番。
近年はアクアポリンを病気の治療に生か
そうという研究が進んでいます。それが
アルツハイマー病。この病気とアクアポ
リンとの深い関係がわかったんです。

アルツハイマー病
アルツハイマー病ってのは、アミロイド
βやタウタンパク質という老廃物が脳に
溜まって、神経細胞が縮んで働きが鈍く
なることで起こると言われているんです。

アルツハイマー病はアミロイドβやタウタンパク質という老廃物が脳に溜まって、神経細胞が縮んで働きが鈍くなる。
『アクアポリンがないと、アルツハイマ
ー病の病態にどう関係するのか?』マウ
スで実験してみたんです。

アルツハイマー病は神経細胞が萎縮して起こる
左が正常なマウスの脳。中央にあるのが
記憶をつかさどる海馬。右の方はアクア
ポリンをつくれないようにしたマウスの
脳。比べてみると分かるように海馬や周
囲の細胞が萎縮してスキ間ができている
。コレはアルツハイマー病の病態に似て
いるんですよ。アクアポリンがないと老
廃物が流れるシステムが上手くいかない
んですよ。
そのシステムって何?ってことですが、
脳は脳脊髄液という水溶液に包まれてい
て、赤く見えるのが血管で、流れて来た
緑色のものが脳脊髄液。これが血管の周
囲を伝わって、脳の内部に『バァー!』
と入り込み、老廃物を取り除くと考えら
れています。この脳脊髄液を生み出すの
がアクアポリン。

赤色が血管で、緑色がバァーと流れて来た脳脊髄液
まあ、アルツハイマー病の病態はこれで
すべて説明できるわけではありませんが
、少なくとも、マクロのレベルで見ると
水の流れがとても大切なんだということ
がわかります。
アルツハイマー病とアクアポリンの関係
ですが、アクアポリンがあることで、脳
脊髄液からリンパ液への水の流れが起き
て、脳の不要になったものを流すことが
わかってきました。クリーニングが必要
だってこと。

アルツハイマー病は水の流れが大切なんです
あと面白いのが、わたしたちは起きてい
る時よりも寝ている時のほうが、水の流
れが盛んで老廃物を流すことができるら
しいんですよ。
寝なきゃダメだな!