
京都
明治時代になるまでは、ほとんど天皇は
京都におられました。
というか、天皇のおられる所が中心部。
地方に行く役人や領主は、だいたいが都
落ちした人たちなので、まぁ彼らは教養
もあって、京都に憧れている人たち。
だから、機会があればいつかはまた京都
へと機会を伺ってオル。

『いつか、京の都に帰って来るからな。待ってろよ!』
で、朝廷や天皇が彼らに「京都に戻って
来ないか」と一声かければ、京都にすぐ
来る。いわば朝廷の傭兵。
だから常備軍とたいして変わらない。
この常備軍のいいところは、コストがほ
とんどかからないコトです。人件費は地
方の上りで何とか賄えますからねぇ。

京の都に帰りたい傭兵にはコストがかからない
まぁ、天皇のおられる京都をピカピカに
光らせておけば、文化でも経済でも軍事
でもすべてが京都に集まるようになる。
今はそれが東京ですが。
天皇もおられることですし。

京都をピカピカに光らせておけば、人が集まって来る。
「太平記」に書いてあったんだけど、
室町時代、新田義貞、この人鎌倉幕府を
滅ぼしたことで有名なんですが、この人
が後醍醐天皇に仕える女たちの一人(勾
当内侍)をチラつかされて、腑抜けにな
ってしまった。

新田義貞は鎌倉幕府を滅ぼしたんだけど、後醍醐天皇に女で腑抜けにされた。
そして惚れ抜いた彼女を下げ渡されて、
京都に住む後醍醐天皇の忠実な家来に。
ゴダイゴさん、ほんとにひどいなぁと
思う。美女の姿をエサにして武力を味方
につけてしまうんだもの。この女の人、
ピカピカに光っていたんだろうな。

後醍醐天皇は女で新田義貞を腑抜けにし、コストをかけずに忠実な家臣にした。
これと似たような話が中世ヨーロッパに
もあって、コレ、騎士が領主の奥さんに
実らぬ思いを寄せるってヤツ。まぁ恋愛
文学の王道。でもよく考えてみれば、妻
は領主が騎士たちを引き付けるエサ。

シルバーランドの王妃様(『リボンの騎士』より)
それではまさに、あのチョウチンアンコ
ウのチョウチンではないか。であれば、
スゴイ高等戦術。

チョウチンアンコウはチョウチンの先っぽをピカピカに光らせておいて、獲物を集める。
領主たちは武力を高めるためには美人の
妻をもらわないといけないということだ
。やはり妻はピカピカに光らせておかな
ければなりません。

領主たちは武力を高める為に美人の妻を貰わなければなりません。妻はピカピカに光らせておくに限ります。