アクアポリン(水の穴)・細胞は自分が動く時、水を使う(中)

細胞が動く

     【続きです】

例えば、ヒフの細胞が傷ついた時、その
傷を埋めるために、正常なところから傷
を塞ごうとして、細胞が動くんですよ。
細胞が動くということは、細胞が傷つい
た部分を覆うように動くこと。この動き
を生みだしているのがアクアポリン。細
胞の片側からアクアポリンを通して水を
入れ、反対側から出すことで、細胞を動
かす動力源としている。

細胞の片側からアクアポリンを通して水を入れ、反対側から出すことで、細胞を動かす。

例えば、左へ動こうとする時、左側を平
にしながら水を取り込み、それを後ろか
ら出すために、狭い場所に潜り込むよう
に動く。形を変えながら動く。
まあ、これは水を取り込んでジェット。
『バアッ!』と出して動く。しかも1秒間
に30億個の水が出入りする。たぶんそれ
が一番ムダのないやり方。ワレワレ全て
の細胞がこういうことをしている。

細胞が左に動こうとする時には、左側を平にしながら水を取り込み、それを狭い後ろから、『バァッ!』と出す。

アクアポリンというのは、細胞膜に貫通
するように埋まっているタンパク質で、
非常に狭い穴があいています。例えば、
最初に見つかったアクアポリン1という
のは、その穴の大きさが3Å(オングスロ
ーム)だと言われています。

*1Å=100億m分の1。

アクアポリン1の穴の大きさは3Å。それに対して水の大きさは2,8Å。ギリギリ水が通れる穴

水ってのはH2Oでこれの端から端まで
2,8Å。つまりアクアポリンの穴ってのは
水しか通せない大きさで、ギリギリ水が
通れる穴なんですよ。水素結合を壁と上
手く作ることで、水は通れるけど、水以
外は通れないような構造なんです。

       【続く】

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