記憶にはすぐに忘れてしまう記憶とずっ
と覚えている記憶があります。その差は
どこにあるか。実は星座を形ずくる線の
太さなんです。太ければ、ずっと覚えて
いる記憶になり、細ければ、あいまいな
記憶になります。
じゃあ、せんの太さはどうやって決まる
のか?
重要なのはタンパク質と神経細胞との関
わり。神経細胞は長い軸索を伸ばして、
隣の神経細胞に情報を伝えていま。この
接合部分、情報の送り手側と受け取り側
のセットをシナプスと言うんですが、こ
のルートを通して繰り返し情報が伝わる
んです。
受け取り方のシナプスが大きい状態が続
けば、記憶はその分、鮮明になるのだ。
つまり、ネットワークの線が太くなる。
シナプスの小さい状態が続けば、ネット
ワークの線が細くなるので思い出せない
。
で、最近の研究では、積極的に記憶を消
す仕組みがあることがわかってきた。脳
の免疫細胞の1つ、ミクログリア細胞って
のがあって、これがシナプスを食べてし
まうと言うんです。
ミクログリア細胞は細胞や異物を食べて
排除するメカニズム。キノウしないシナ
プスを食べて情報を通らないようにする
働きがあるんですよ。
【続く】