2024年 7月 の投稿一覧

ビートルズ『ルーフトップ・コンサート』の映画(後半)

     【続きです】

演奏はどうかと言うと、まあビートルズ
の本気を見たという感じ。リハーサルは
グダグダなんですよ。みんなやる気がな
くて。後半のアップルスタジオに移って
からはかなり良くなるんですけど。

けれど、いくらビートルズが天才集団だ
からといって、最初からいきなりバシッ
とスゴイわけじゃないんです。リハーサ
ルとか会話とかをたくさんして、作り上
げたものが完成品なんですよ。それが良
くワカル映画。

練習はすごくダラダラしてるんですよ。
『こんなんで本番いい演奏できんの?』
って感じなんですけど、本番が始まって
みるとですね、コレがまったくの別人な
んですよ。本気を出すと、ここまでスゴ
イのか!と。

ビートルズは元々、生粋のライブバンド
。プロデビューする前の1960~1962年
まではドイツのハンブルグというところ
で、ひたすらライブ漬け。ジョンによる
と、『その時のビートルズがいちばんス
ゴかった』とか。まあ、その音源がCD
化されているから聴けるんですけどね。

他のビルに登ってライブを見ているお客
さんが、まあ、名もなきお客さんなんで
すが、『ロックンロール!』と叫ぶと、
ジョンが『お前もな!』って返すんです
よ。

リハーサルで一番違ったのがジョン。
ひたすらふざけてた。ふざけてるから、
いいアイデアが出るのか。ジョンはそれ
を本能で知っていたのか。本番でジョン
が本気になった。

一方、下の玄関のほうでは、もう誤魔化
すネタがない。とうとう屋上まで警察官
がやって来ます。ポールなんか、警察官
を見てワクワクしてる。やはりヤバイ人
達の集まりだ、ビートルズの人達って。
警察官がアンプの電源を切る。切られた
電源をジョージがまた入れ直しに行く。

最後はポールの警察官をおちょくった歌
でおしまい。
『君はまた屋上で遊んでしまったね♪、
ママが逮捕させに来るぞ♪』

ビルに戻ってさっき撮ったプレイバック
を聴き、満足気なビートルズ。やり切っ
たという表情を皆している。

この時点ではまさか解散するとは、誰も
思ってなかったハズ。
ビートルズは毎回これが最後だ、最後だ
と言いながら、また忘れた頃に違うのが
出て来る。次はどんな秘蔵音源・秘蔵映
像が出て来るのだろうか!?

まだまだビートルズはワレワレを楽しま
せてくれると思います。

       おしまい

ビートルズ『ルーフトップ・コンサート』の映画(前半)

ビートルズⅮⅤⅮ『GET・BACK』
をメルカリで買いました。そしてそれを
たっぷり8時間かけて観ました。
ビートルズの『ルーフトップ・コンサー
ト』は1969年1月30日に行われたビート
ルズのラストライブです。

レコーディングスタジオの屋上でライブ

自分たちのレコーディング・スタジオの
ビルの屋上で、勝手に許可も取らずにや
ったライブ。ホントは計画して、屋内で
やろうと思ってたんですが、全然計画が
進まずに、『じゃあ、屋上でやっちゃお
うぜ!』となったんです。

当日、屋上で何か、ガチャガチャ音が鳴
ってるもんだから、当然、人がガンガン
集まって来る。ビートルズとしては3年
ぶりのライブ。しかもゲリラライブ。
でも街の皆さんは意外と冷静。『ビート
ルズの連中が、何か始めよったな。』っ
て感じ。

中には、どっかのおばさんが『寝てるの
を起こされた、最悪!』と言ったり、
そいうビートルズが好きじゃない人の意
見を映画にしたり、そのセンスがなかな
かイイ。その時放った、たった一言が永
遠に音楽史の歴史に残るとは夢にも知ら
ずに。

以前ビートルズのアルバム『アビーロー
ド』のジャケットにたまたま載ってた
ロンドンタクシーの横に立ってた、どっ
かのオッサンが亡くなった時、世界中の
新聞に載りました。『ビートルズのアル
バム、【アビーロード】に写っている
○○さんがお亡くなりになりました。』
と。なぜか音楽史の歴史の一コマになっ
ちゃった。たまたまビートルズと関わっ
たばかりに。

黒いロンドンタクシーの隣の男性が有名人に

脱線しました。話はもとに戻って、
うるさいんで警察が来るんですよ。ライ
ブをやっているビルの1階の玄関の所に
警察がやって来る。30分の間に30件も
苦情が来てますよってね。

何と、そこに隠しカメラが仕掛けてあっ
て、その時の様子がこと細かく撮られて
いるんですよ。カメラの場所によって音
が変わる。これがスゴク臨場感があるん
です。

リアル警察官のはずなのに映画の為の俳
優にしか見えないんですよ。もちろん、
ガチ警察官として来ている。なのに、も
う完全に映画を盛り上げるためのメンバ
ー。何も知らない警察官が。リアル警察
官以上にうまい俳優の警察官はいません

ビートルズが絡むとすべてのものが、ド
ラマチックになる。どういうことかと言
うと、映画は2画面に分かれてライブと
警察官を同じ時間軸で進行させる。警察
官が屋上にやってきて、ライブを止める
まで、あとどれくらいライブができるの
か、スリリングな駆け引きをする。

まず玄関入り口でテキトーに話をはぐら
かすんですよ。そして時間を稼ぐ。警察
官は『逮捕するぞ!』って。

ポールとリンゴは後で逮捕されたかった
と言ってます。そうなれば、映画のエン
ディングとしては最高だと。

       【続く】

ブログ一覧