【続きです】
演奏はどうかと言うと、まあビートルズ
の本気を見たという感じ。リハーサルは
グダグダなんですよ。みんなやる気がな
くて。後半のアップルスタジオに移って
からはかなり良くなるんですけど。
けれど、いくらビートルズが天才集団だ
からといって、最初からいきなりバシッ
とスゴイわけじゃないんです。リハーサ
ルとか会話とかをたくさんして、作り上
げたものが完成品なんですよ。それが良
くワカル映画。
練習はすごくダラダラしてるんですよ。
『こんなんで本番いい演奏できんの?』
って感じなんですけど、本番が始まって
みるとですね、コレがまったくの別人な
んですよ。本気を出すと、ここまでスゴ
イのか!と。
ビートルズは元々、生粋のライブバンド
。プロデビューする前の1960~1962年
まではドイツのハンブルグというところ
で、ひたすらライブ漬け。ジョンによる
と、『その時のビートルズがいちばんス
ゴかった』とか。まあ、その音源がCD
化されているから聴けるんですけどね。
他のビルに登ってライブを見ているお客
さんが、まあ、名もなきお客さんなんで
すが、『ロックンロール!』と叫ぶと、
ジョンが『お前もな!』って返すんです
よ。
リハーサルで一番違ったのがジョン。
ひたすらふざけてた。ふざけてるから、
いいアイデアが出るのか。ジョンはそれ
を本能で知っていたのか。本番でジョン
が本気になった。
一方、下の玄関のほうでは、もう誤魔化
すネタがない。とうとう屋上まで警察官
がやって来ます。ポールなんか、警察官
を見てワクワクしてる。やはりヤバイ人
達の集まりだ、ビートルズの人達って。
警察官がアンプの電源を切る。切られた
電源をジョージがまた入れ直しに行く。
最後はポールの警察官をおちょくった歌
でおしまい。
『君はまた屋上で遊んでしまったね♪、
ママが逮捕させに来るぞ♪』
ビルに戻ってさっき撮ったプレイバック
を聴き、満足気なビートルズ。やり切っ
たという表情を皆している。
この時点ではまさか解散するとは、誰も
思ってなかったハズ。
ビートルズは毎回これが最後だ、最後だ
と言いながら、また忘れた頃に違うのが
出て来る。次はどんな秘蔵音源・秘蔵映
像が出て来るのだろうか!?
まだまだビートルズはワレワレを楽しま
せてくれると思います。
おしまい
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