魔法の鏡は「それは母親であるあなたです」と言ってくれたのに・・・。

 

イソップ童話に、「ハエと牛」」という
お話があります。

このお話は、一匹のハエが牛のまわりを
ブンブン長い間飛んでいて、背中に止ま
ったりシッポに止まったりさんざんまと
わりついたあげく、最後に角の上でゆっ
くり休みました。

さぁ、これで牛ともお別れかと思うと、
ハエは急に寂しい気持ちになりました。

ハエは牛に「牛さん、今まで長い間楽し
く遊んできたけど、私はよそに行かなけ
ればなりません。お互い寂しい思いをす
るでしょうけど、許してね」と言いまし
た。

すると牛は「ああ、そう?君、今まで
ボクのそばにいたの?君がいつ来ようと
いつ行ってしまおうと、ボクにとっては
別にどおってことないよ」と言いました。

これは、ハエだけの片思いで、牛にとっ
てはどうでもよかったという内容のお話。

ハエを親、牛を子に例えたら、この話は
が然面白くなる。

子どもが小さい時は、親はこのお話のハ
エのようになっていることです。

でも自立し始めた思春期の子には、友達
をはじめたくさんの関心事が次々と現れ
てくる。

そんな時に親のハエがブンブンまとわり
ついても、うるさいだけ。

ところが、子離れできない親は、子ども
は自分に関心を持っていると錯覚する。

小学生の頃なら、「鏡よ鏡、わが子がこ
の世で一番関心を持っているのはだ~れ
?」と聞いてみると、魔法の鏡は「それ
は母親であるあなたです」と言ってくれ
る。

ところが中学生ともなると、魔法の鏡は
同じ問いに対してそうは言ってくれない。

むしろ、「それは知り合ったばかりの
友達です」と言い始める。

しかし、そうは言われても母親の方は
相変わらず、子どもがダントツ。

子どもは大きくなるにつれて他の人や
社会に興味をもつようになる、と頭では
わかっていても、受け入れられない。

自分が家を空ける時、「もしも家を空け
たらこの子は困るに違いない」といった
錯覚を持つ。

ところが家を空けた途端、子どもは羽根
を伸ばして「バンザ~イ!」と大喜びし
いているなんて、夢にも思わないのデス。

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