エジプトのクレオパトラが国外へ持ち出
し禁止としたムシがいます。そのムシの
名は『ミミズ』。『ゲッ、気持ち悪りー
い!』と思われるかもしれませんがエジ
プト文明を繁栄させたのは、このミミズ
がいたから。
アフリカ大陸の北方のナイル川周辺は
サバク化しているので、この辺りにミミ
ズはほとんどいません。でも、ナイルが
氾濫することで、上流から土とミミズ
がともに運ばれてきて、農耕が盛んにな
ったのかも知れません。
ところで、ミミズが文明の繁栄にどうか
かわったのか?キーワードは『フン』
このミミズのフンの中には、植物が成長
する為に大事な窒素やリンなどが含まれ
ているんです。ミミズの肥料は天然の肥
料。しかも、このフン、固まっていて、
この形が重要なんです。土の中の落ち葉
など、枯れた植物を食べて生きているミ
ミズ。落ち葉がフンに変わり、土に変わ
っていく。すると、固まったフンとフン
との間に適度なスキマができ、植物が根
を張りやすくなる。更にこのスキマ、適
度の水の量を保ってくれる。
うちの実家にも畑があって、父が土を耕
していましたが、田畑を耕す作業は、
まあ、ミミズが行う理想的な土作り。
そう言えば、今は亡き父が『こういう
ゴロゴロした状態の土がある所では、
同じ品種でも土が違うと全く違う野菜に
なる。』と、言っていた。
ミミズは作物が良く育つ土を黙々と作り
続けて来ました。今も世界中至るところ
で土を作り続けているんです。そして
ワレワレの農耕文明を支えている。
ワレワレの立っている大地のほとんどは
ミミズの出したフン。ミミズを『気持ち
悪り~い』なんて言わないでネ。
それにネ、ミミズのフンって粘液とフン
を混ざり合わせて有機物の塊を作るん
です。
コーティングして、何が起こるかと言う
と、土の中の微生物によってそれ以上の
分解を止めてくれる効果があるんです。
有機物を微生物が分解したら、ⅭO2が
ドンドン排出されるのでミミズのフンに
関しては、この中に炭素を閉じ込めてく
れます。
まあ、炭素を閉じ込めた石炭みたいなも
んでしょうか。地球温暖化防止に一役
買っているらしいんです。