ハーメルンの笛吹き男

子供たちは二度と戻って来なかった

 

恐怖という感情は、生物がみんな持って
いる本能で、身を守るためにリスクを
回避してきた、まぁ、「安全装置」みた
いなモノ。

「ウソをついちゃあ、いけないよぉ」と
暗に示すグリム童話があります。

あらすじは、こう。

昔、ドイツ西部ハーメルンの町はネズミ
の大群に悩んでいた。

そこに笛を持った男が現れ、市民に「私
がネズミを退治するので、報酬をもたい
たい」と申し出た。

市民は、「お願いします!」。

すると、この男は笛を吹き始めた。

不思議なことに、この笛の音に誘われ、
町中のネズミが男の後をゾロゾロと追っ
てきた。

男が川に入ると、ネズミも後を追って
川に飛び込み、溺れ死んだ。

市民は喜んだが、金を払うのが急に惜し
くなり、この男に報酬を渡さなかった。

男は怒り、「恐ろしいことが起こる」と
言い、再び笛を吹いた。

すると、その音に引き寄せられ、今度は
町中の子供たちがぞろぞろと男の後につ
いてきた。

男は子供たちを連れ去り、どこかへ消え
てしまい、二度と戻っては来なかった…。

まぁ、約束を破ったため切ない結末を
迎えたっていうお話。

「君たちねぇ、こんな恐ろしいことが起
こらないように、約束はきちんと守るん
だよ」っていう教訓説話。

ドイツ国民は、規律とか約束とかちゃん
と守る国民っていうイメージがあります。

子供の頃から母親に読んで聞かされてい
るのでしょう。

ハーメルン市の記録文書には、たしかに
「キリスト生誕後の1284年、130人の子
供たちが笛吹き男に連れ去られ、コッペ
ンで消えた」との記述が残っています。

それをグリム両教授はしっかり調べて、
この童話をつくったのだ。

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