コロナ以前にも似たような時代があった。

ブリューゲルの「死の勝利」

 

1960年の後半、ビートルズがヒゲを伸
ばし始めた頃、アメリカではカウンター
カルチャーや反戦運動の嵐、若い人たち
はアイサツする度に抱擁、そして「ラブ
&ピース」が合言葉の熱い時代でした。

ところが1980年代は時代の空気は冷え
込み、人々は抱擁やキスを避けて、なる
べく離れるような姿勢を取り始めた。

エイズのせいです。
お互いにキョリを取り始めた。

今とそっくり。

アフリカ由来と言われるエイズ・ウイル
スが「愛と平和」を壊したのデス。

でも戦争も疫病も、原発事故も、遠く
離れた安全圏にいる者にとっては、まぁ
他人事。
対岸の火事デス。

でも新型コロナは違う。

グローバル化によって、世界のスミズミ
まで広がりました。

どこにも安全圏ってのはナイ。
逃げ場もナイ。
地の果てまで人類全てが当事者になった。

多分こんなのは、歴史上初めてでは?

昔を振り返れば、中世にはペストが広が
り、今まで元気だった隣人が亡くなった。

まるでロシアンルーレット。
次は自分の番かもしれない。

ところで、ブリューゲルの絵の中に
「死の勝利」というのがあって、そこに
描かれているのは、大きな馬車に死者が
山積みになっている風景。

ガイコツ姿の死者があらゆる階級の生者
へと襲いかかり、容赦なくあの世へ送る。
まぁ、身震いするような絵デス。

今回のコロナでは、ニューヨークでは
死体の処理が追い付かず、冷凍トラック
を連ねて死者を収容しました。

まるで「死の勝利」そっくり。
馬車が冷凍トラックに変わっただけ。

ペスト以後は神父さんも教会から逃げ出
すようになり、教会の権威は失われてい
きました。

で、神は死んだわけで、有名な宗教改革
が起こり、人間を取り戻すルネサンスが
イタリアで起こりました。

ペストの後に希望が生まれたのです。

新型コロナ以後はどんな新しいルネサン
スが待っているのか、希望を持ちたいも
のデス。

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