イソップ童話に、「猟犬と番犬」という
お話があります。
ある猟師が2匹の子犬を、小さい頃から
猟犬と番犬にそれぞれ育てました。
猟犬は朝から晩まで必死に追いかけて
獲物をとってくる。
それに対して番犬は、猟犬の捕ってくる
モノを「遅いなぁ、まだかなぁ」と待っ
て、帰ってきたらそれを食べて、あとは
また寝て待つダケ。
これは、子育てにも通じます。
親の願いは、「わが子は他人の稼ぎを
当てにするのではなく、自分の力で稼い
でなおかつ家族の分まで面倒を見てくれ
る猟犬のように育ってくれないと困る」
というもの。
「わが子は番犬になってほしい。勉強を
しなくてもいいし、働かなくてもいい。
親が食べさせるから、家にずっといてく
れればいい。いざとなれば生活保護もあ
るのだから」と思っている親はどこにも
いません。
子どもが将来どんな人間になっていくか
は、幼い頃の育てられ方が大きくエイキ
ョウしてて、10才ともなれば猟犬と番犬
のように、見かけは同じでも中身の性質
は全く違った人間に育っていきます。
だから、小さい頃に番犬のように仕込ま
れた子どもを、親の都合に合わせて大き
くなって猟犬に変えようとしてもムリ。
学校は子どもを猟犬に仕込んでくれる
しつけの場ではありません。
子どもに学問の猟をさせてやる場。
獲物は口を開けていれば向こうから飛び
込んでくるわけではありません。
教科書や黒板に書かれた獲物を、自分か
ら捕りに行くのが猟犬の仕事。
まぁ、獲物は学校が用意してくれますが
、それを手に入れる「しつけ」は親が
やっておくべき仕事ってわけです。