ワタクシは歯医者をやっているので、
よく〇〇省とかから毎年毎月、同じ頃に
官僚の書いた文章が送られてきます。
それがいつもマニュアル通りの同じ文章。
アレは表層に留めて、逆に深く入っちゃ
あいけないように書いてアル。
だから読む気にならない。
問題の核心には触れないで、ひたすらカ
ニ歩きで横に歩く。
言葉だけは美辞麗句が並んでいるんだけ
ど、カンジンの問題にはたいして触れな
いという必殺技。
まぁ、能率や効率を考えたら同じにした
方がいいわけで、官僚的文体というのを
あれだけ多くの人が使っていることから
、たぶん着脱自由で使い勝手のいいツー
ルなのだろう。
ワタクシも気がついたら使っていた。
いくら丁寧な物言いでも、本人のカラダ
が話している内容に納得していないと、
必ずフラットな文章になる。
そして眠たくなる。
時々、歯医者の診療時間が終わって間も
なく、電話が鳴ります。
患者さんかなと思って受話器を取ると、
「もしもし、ナントカ不動産の〇〇と申
します。いつもお世話になっております。
今日は投資のご案内でお電話致しました。
お時間を5分少々いただけないでしょう
か。実は東京のナントカという駅に歩い
て5分の場所にナンチャラマンションが
できまして、いえそれが二度と出ないだ
ろうといわれる場所でありまして・・」
と、まだまだ続く。
あの口調は完全にフラット。
しゃべっている本人が自分の声を聞きた
くないし自分の話の内容に納得できてい
ないから、マニュアル通りには喋ってい
るんだけど、カラダの他の部分が共振し
ない。
いい声、響く声ってのは自分の言葉に
カラダが「おお、なかなかイイことを
言うではないか、オガワ君に一票。」と
後押ししてくれる。
そうなると声が割れて響いてくれる。
すると、じゃあ、何か聞いてみようかな
という気になるのだ。